13人が本棚に入れています
本棚に追加
私は二人を眺めながら、また胸が苦しくなった。
もし私と二宮くんが日直だったら、二宮くんはどうするのかな。
「ありがとう」
彼にお礼を言う美樹は本当に女の子らしい、全てが。
「七センチの差はデカイんだよー」
自分よりも小さい女子を前に二宮くんは誇らしげで凄く嬉しそうだ。
「私もあと七センチは欲しいなぁ」
可愛らしいことを言う美樹を尻目に、私は自分の中に芽生えかけた感情を必死に抑えた。
だって、美樹と二宮くんの方がお似合い。
楽しい学校生活のおかげで夏休みはすぐにやってきた。
「二宮くんとのあの掛け合い聞けないのがちょっと寂しいなぁ」
マックの窓際の席で美樹が言った。
夏休みに入っても彼女とはほぼ毎日のように遊んでいる。
「美樹はさ...」
私は夏休み前、彼女と二宮くんが黒板の前に立っていた姿を見て思ったことを聞いてみることにした。
お似合いだと思ったこと、美樹は二宮くんをどう思っているかということ。
「ないない」
美樹の一言目を聞いて私は妙に安心してしまった。
「だから萌結が二宮くんのこと好きになったら私はもちろん応援するよ」
「うん、その時はよろしくね」
最初のコメントを投稿しよう!