一学期

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毎日飽きもせず同じことを言ってくる二宮君は私とは逆にかなり小柄だ。 「人のこと、でかいでかい言ってくるけど二宮くんは何センチなの?」 前にそう聞いた時、一瞬ウッという表情をしたあとに「耳貸して」と言われ、私が彼の唇に耳を近づけると、ボソッと「150センチ」と言った。 耳がこそばゆくなった感覚をよく覚えている。 「もうさ、二人付き合っちゃいなよ」 購買で買った生クリームパンをかじりながら美樹はからかうように言った。 「私の気持ちも考えてよー、私は長身イケメンがいいの」 「二人お似合いだと思うんだけどなー」 美樹は一人言みたいにして言った。 二宮くんはイケメンだ。 出会った四月、席に座っている彼を一目見て胸を弾ませたほどに。 だけど立っている姿を見てビックリ。 ちっちゃ! その小柄っぷりと、一々ちょっかいを掛けてくるのが最近は弟みたいで可愛くもあり、憎たらしくもあり。 「イケメンだとは思うけどね、やっぱり彼氏は長身がいい!身も心も守ってくれそうで安心出来る人がいいの」 私の言葉に口をモグモグさせながら、うんうんと頷く美樹も二宮くんに負けずかなり小柄な143センチだ。 女子の私でも守ってあげたいと思うことがある。
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