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私の大部分は母で出来ている。
血を分けた、半分の遺伝子という意味でもそうであるし、それ以上に、私という存在を説明する上でどうしても欠かせない人物である。
その母の話をする前に、もう一人の欠かせない人物、まずは父の話をしよう。
父は埼玉県と東京都の境目にある小さな町に産まれた。
そこは昔は一面田んぼと畑で、
父の子供の時分は大雨が来るたびに度々氾濫する荒川の水害に悩まされていたそうだ。
そんな小さな町から隣町まで、砂利道を、自転車のハンドルを取られてフラフラしながら、父は小学校へ通っていた。
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