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Oさんがそう言うと、友人は 合ってるよ。空き部屋なわけないだろ。インターホンなんて鳴ってないし、お前、階間違えてたんじゃないのか? 他の皆もう来てんだから、早く来いよ。 と告げて電話を切られてしまった。 階って、三階だろ? Oさんとしては、間違いなくエレベータで三階に行ったと確信があるため、どうしても友人の言い分に納得がいかない。 きちんと三階行きのボタンを押したし、通路に出てからもそこが三階だということを示す案内も確認している。 それに、インターホンを押した部屋の番号は三〇七と表記されていたし、一度棟から出た際にも、エレベーターの表示で自分が三階へ来ていたことをはっきり自覚していたのだ。 ここまで完璧に確認をしていて、勘違いなんてあり得ない。 そう思いながらも、Oさんは仕方なくまたエレベーターに乗り込み三階行きのボタンを押した。 そうして、目的の階へ到着し再び通路の奥まで進み一番端っこにあるドアの前に立ったとき、Oさんはあれ? っと首を傾げるはめとなった。
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