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……ここ、さっきインターホン鳴らした部屋じゃねぇか。
三〇七の番号も、表札のないドアも、ついさっき見た光景と瓜二つ。
そっちは空き部屋で誰も入ってないぞ。
ついてきた友人に言われ、Oさんは言葉も出せないまま通路の奥、三〇八号室の方へ顔を向ける。
さっきは、ここに壁があった。間違いなく、通路はここで終わってたはずなのに……。
あの瞬間、俺はどこにいたんだろう。友人の部屋は、どこに消えていたんだろうか。
何となく不気味に感じたものの、集まってる仲間たちに悪いと思い、Oさんはこのとき体験した不思議な出来事を暫くの間誰にも話すことができなかったという。
その後、何度かこのアパートへ遊びに訪れたらしいが、通路を塞ぐ謎の壁が出現することは二度となかったそうだ。
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