第四章 狩猟祭編

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『御手を煩わし申し訳御座いませんでした。狩猟神であらせられる、ホワイト様』 『いや、気にせずともよい』 グルーノ女王国の君主であらせられる、カサンドラ・グルーノ女王陛下への御挨拶を申し上げる為の列も短くなって来まして。グルーノ女王国の宿営地の中に設けられている、待合所の天幕へと案内をされたのですが。グルーノ女王国で国教と定められている、女性神の高司祭の女性がやって来て、ホワイトが本当に神々の一柱なのか確認してから、待合所の天幕から退出をしましたね。 『グルーノ女王国は用心深いわね。ベアーテ・グルーノ衛兵隊長だけでは、ホワイト様が本当に狩猟神なのか判断が出来ずに。国教の高司祭まで確認に来るのだから』 他の拝謁を希望する方達への応対に追われているのか。私達レムリア王国の一行が待合所として利用をしている天幕の周囲には、グルーノ女王国の衛兵の気配は感じ取れませんね。 『推測になりますけれど。グルーノ女王国の君主であらせられる、カサンドラ・グルーノ女王陛下の妹君の、カミラ・グルーノ王妹殿下は。今回は同行をされていないと思いますね』 私の推測に、アリスも頷いて。 『カサンドラ・グルーノ女王陛下は、グルーノ女王国の法律では王位継承権のある女児を未だ御産みになられていないから。狩猟祭で万ヶ一の事態が発生した場合に備えて。妹君のカミラ・グルーノ王妹殿下は、グルーノ女王国の王都グルーノで待機をされている訳ね』 アリスの考えに、マリアンヌとカタリナの二人も頷いていますね。 『カミラ・グルーノ王妹殿下は。鉄血騎士団は擁護者マクシミリアン騎士団長閣下の側近の、ルートヴィヒ騎士隊長との間で子作りをされていましたからね。もしかしたら、妊娠初期の可能性もありますしね』 レムリア王国一行の女性陣の全員が、私の見解に頷きましたね。 『妊娠初期には、振動で揺れる馬車での移動は避けるべきですから。勇者クリストファー様』 カタリナの意見に、アリスも頷いて。 『カタリナの言う通りね。先程会ったベアーテ・グルーノ衛兵隊長は、カサンドラ・グルーノ女王陛下の従姉のはずよね?』 アリスの確認に私は頷いて。 『はい。その通りですね。ルートヴィヒ騎士隊長が、カミラ・グルーノ王妹殿下と子作りを始められる前に。ルートヴィヒ騎士隊長との間に、女児を一人設けていられますね』
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