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『それでは聖女カタリナも、今回の依頼に同行をするわけね?。クリストファー』
【ああっ、勇者クリストファー様。寄付金を募り購入した子爵領復興の為の物資を輸送する際の、護衛の依頼料を御辞退なされるとは。正に神々が天より御遣わしになられた御方の尊い行いです。勇者クリストファー様の尊い意思に御応えする為に、私が下僕として奉仕をさせて頂きますっ】
『ホビーは声色遣いが、本当に上手ね』
聖女カタリナの言葉を完璧に再現した、経験豊富な小人族の女性であるホビーの技量に。ドワーフの女性のアニーが感心をしたように話しましたね。
『他人の声を真似る声色遣いは、盗賊が身に付けていると便利な能力だからね♪』
肉団子亭で再び集まった私達四人は、お互いに意見交換を行っていますね。
『魔王討伐の際の旅の仲間の五人で、再び行動をする事になりますけれどね。どうしても聖女カタリナと行動を共にするのが嫌でしたら、私の方でどうにかしますけれどね?』
私の提案にマリアンヌは首を横に振ると。
『いえ、私は別に嫌ではないわねクリストファー。アニーはどうかしら?』
ハーフエルフの女性の恋人であるマリアンヌに問われて、アニーも首を横に振り。
『私も別に嫌ではないかな。重戦士の私と、神官戦士のカタリナの二人で壁になって敵の勢いを止める戦い方は。魔王討伐の旅の際に有効だったから』
アニーの考えを聞いた私は頷くと、ホビーの方を見て。
『ホビーはどうですか?』
『聖女様は面白い人だから、あたしは大歓迎♪』
まあ、見方によっては、聖女カタリナは面白い女性かも知れませんね。
『では聖女カタリナも、再び私達の旅の仲間に加える事にしますね』
私の最終的な決定に、マリアンヌが頷いて。
『聖女カタリナは、勘当はされているけれど、子爵家の令嬢なのは間違いが無いから。私の方から王太后陛下に、再び旅の仲間に加わったと御伝えをしておくわね』
王太后陛下付きの侍女の立場で、王城に出入り出来るマリアンヌの話に私は頷いて。
『お願いをしますねマリアンヌ。聖女カタリナは、魔王軍の攻撃を生まれ故郷の子爵領が受けた際に。父親である子爵から、王都に避難するようにとの命令を拒絶して、故郷の騎士や民兵と共に魔王軍と戦った為に、子爵家の当主である父親の逆鱗に触れて勘当をされていますけれど。子爵家の血統ですからね』
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