第四章 狩猟祭編

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『卿は本当に出来る男であるな。ソリュード伯爵』 『勿体無い御言葉です。カサンドラ・グルーノ女王陛下』 グルーノ女王国の君主であらせられる、カサンドラ女王陛下の天幕へと案内をされて。鉄血騎士団の統治者であらせられる、擁護者マクシミリアン騎士団長閣下も御同席の場で拝謁の栄誉に賜り、御挨拶を申し上げた後に。今回の狩猟祭において必要な交渉を行いましたね。 『そなたもソリュード伯爵の事を見倣うようにせよ。そなたの妹か弟の父となるのだからな』 『はい。母王陛下』 カサンドラ女王陛下と、擁護者マクシミリアン騎士団長閣下の間に設けられた第一子の男児も、謁見の間には同席をされているのですが。父親である擁護者マクシミリアン騎士団長閣下の元で育てられているだけの事はあり、幼少とは思えない程にしっかりされていますね。 『さて、マクシミリアンどうする?。ソリュード伯爵は、今回の狩猟祭の獲物である竜を仕留めるのを、譲って欲しいとの事だが』 カサンドラ女王陛下が、三人の御子を設けた擁護者マクシミリアン騎士団長閣下の方を見られると。隣の仮設の玉座に腰掛けられている、擁護者マクシミリアン騎士団長閣下は腕を組んで考え込まれて。 『外交はグルーノ女王国。国防は鉄血騎士団。これが我々の役割分担だがなカサンドラ。私としてはやはり竜を仕留めて、ドラゴンスレイヤーの称号と栄誉を。百年振りに鉄血騎士団にもたらしたい所だが…』 擁護者マクシミリアン騎士団長閣下は、何か御考えがあられるようですね。 『勇者クリストファー・フォン・ソリュード伯爵は、ミスリル魔法王国の元老院議員でもあるな?』 擁護者マクシミリアン騎士団長閣下の確認に、私は頭を下げて。 『はい。その通りです。擁護者マクシミリアン騎士団長閣下』 私の返答を聞いた擁護者マクシミリアン騎士団長閣下は、後は任せるという表情で。御隣のカサンドラ女王陛下の方を見られましたね。 『今回の狩猟祭が終わった後に、都市国家同盟北部の国々の代表が集まっている場で。グルーノ女王国と、鉄血騎士団は、正式に関税同盟である都市国家同盟からの独立を宣言して、北部地域の奴隷制度を全廃する。女性神の地上における代理人である予としては、これ以上女性を奴隷とする制度の存続を認める訳にはいかぬからな』 …先の展開が読めましたね。
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