第三章 ソリュード伯爵領編

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『カツンッ』『『カツンッ』』 『御帰りなさいませ。勇者クリストファー・フォン・ソリュード伯爵閣下』『『御帰りなさいませ。勇者クリストファー・フォン・ソリュード伯爵閣下』』 『出迎えご苦労。シュトラウス騎士隊長』 テルモス子爵領と、私の領地であるソリュード伯爵領の境界線まで。ソリュード伯爵である私に仕える騎士団を率いて、出迎えに来ていたシュトラウス騎士隊長は。メイデン隊長が手綱を捌いている馬車に乗っている私に対して、恭しく深々と御辞儀をして。 『勿体無い御言葉です。勇者クリストファー・フォン・ソリュード伯爵閣下』 私はシュトラウス騎士隊長に対して頷くと。御者台で手綱を握っているメイデン隊長に対して。 『隊長。私の家臣であるシュトラウス騎士隊長からの報告を聞きたいと思う。隊長の馬車に乗せても構わないだろうか?』 テルモス子爵領の城下町から、ソリュード伯爵領との境界線に来るまでに。一緒に入浴をするまでに親しくなったエルフの女性であるメイデン隊長は。私に対して恭しく深々と御辞儀をして。 『はい。勇者クリストファー・フォン・ソリュード伯爵閣下。どうぞ御自由になさって下さい』 私は笑顔でメイデン隊長に対して頷いて。 『礼を言う隊長』 うん、聖女カタリナの目付きが険しいですし。マリアンヌは頭が痛そうにしていますけれど。ホビーは楽しくて仕方無いという表情を浮かべていますね。 『他の騎士は、隊商の馬車を先導せよ』 『『はい。勇者クリストファー・フォン・ソリュード伯爵閣下』』 『カラッ、カラッ』 シュトラウス騎士隊長が、他の騎士に自らが乗って来た馬を預けて。メイデン隊長の馬車に乗り込むと。 『私が留守にしている間に、ソリュード伯爵領に問題は起きてはいませんか?。ヨハン』 『一つだけ問題が起きているクリス』 私とヨハンのやり取りを聞いて、メイデン隊長が不思議そうな表情を浮かべていたので。 『ヨハン・シュトラウス騎士隊長は、私と同郷の友人でしてねメイデン隊長。ロデリック男爵に民兵として徴兵された際も、一緒に徴兵をされて。それ以降は戦友でもありますね』 私の説明を聞いて、メイデン隊長は頭を下げて。 『初めまして。ヨハン・シュトラウス騎士隊長様』 メイデン隊長の挨拶に、ヨハンは笑みを浮かべて。 『自分の方こそ宜しくお願いします。メイデン隊長』
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