回想その1

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 レシル王国のギルドで水属性のB級隊員として活動しているカリヴァは、自分でも驚いた事に初めて五人いる帝の一人から直属隊にお呼びが掛かった。  史上最年少、18歳で水帝となった若者はトリクという。  (これは化物だ。)  今まで時たまギルドで見た事のある相手だが、向かい合うだけで次元が違うと解った。  『どうしてまた、俺に?』  水帝の事務室でトリクは棚から書類を出し、ポンと卓上に置く。  『個人で受けた依頼の質がどれも良い。』  自身の危険をなるべく減らした上で効率的に稼ぐのが極端に上手いから、と水帝は魔法や剣術の能力には一切触れずに説明する。  小隊で仕事するなら、豪傑の一人や二人より役に立つと見たらしい。  『報酬は?』  『利益を人数で等分。』  勿論受けたが、水帝隊相手に指名で来る依頼が困難ならば当然身の安全を優先するつもりでいた。
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