第四章 卑猥な騒音

2/2
前へ
/16ページ
次へ
「あ・・・んっっっ」 「あんっ!あっあっ!」 ・・・。 昼から響き渡る喘ぎ声。 窓くらい閉めろよ!とイライラした。 そんなんだから不倫しているのをご近所で知らない人が居ないほど有名になるんだよ。 いい加減、可哀想とは想わなくなった。 日中、ご主人が汗水垂らして働いたお金が不倫相手へ貢がれていく。 自業自得だとご近所全員が黙認している。 「隣人の卑猥な声なんて日中から聴きたくないものだわ。」 「今度、嫌味の一つでも言ってやろうかしら?」 「あの奥さんは嫌味が通じないわよ。」 「不倫に夢中で頭の中はお花畑だものね。」 人の幸福に僻む気持ちも分かる。 しかし不倫だよ。 不倫は羨ましいか? 不倫している人間は後で必ず後悔する。 だって。 私がそうだから。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加