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3章
イルカショーを見てミュージアムショップに立ち寄った後外に出ると、目の前には叩きつけるような雨が降り続いていた。
「行きより酷くなってるな……」
ミリアがスマホを取り出す。
「直至くん大変、電車止まったって!」
「だろうなぁ……」
天気予報を見る限りずっと大雨警報は解除する気配はない。今日中に電車は復旧しないだろう。
「タクシー呼ぶ?」
「ここから俺のアパートまでは大概あるぞ。高速も止まってるらしいから渋滞でバスも来ねえだろうなぁ」
「ど、どうしよう……」
さすがのミリアも弱った声を出す。
「あ」
俺は目先にホテルの看板を見つけた。
「五百メートル先にあるらしいぞ。泊まるか」
「え、え?! ホ、ホテル?」
ミリアの声に動揺が混じる。
「一緒に住んでんだから今更だろ。金足りるかな、お前多少持ってるか?」
「う、うん……」
俺は場所と電話番号を確認してホテルに電話を掛ける。
「おい、まだ部屋空いてるってよ。早く行かないと部屋埋まるぞ」
俺たちは土砂降りの中ホテルまで急いだ。
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