3章

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ミリアの顔が紅潮していることに気付いた。 理性が、俺の脳内に止めろと警報を鳴らす。 俺はその声がかき消される寸前でベッドから飛び退いた。 「……ちょっと頭冷やしてくる」 しばらく距離を置いた方が良い。 「う、うん……」 ミリアも少し戸惑った表情を浮かべながら乱れかけた寝間着を直す。 俺は洗面台で頭から冷や水を被った。 一緒にいるのが自然になっていて忘れていた。コイツ、居候である以前に、女だ。 今更になって気付く。女と二人暮らしをしているという事実に。俺たちの関係は、決して普通ではない。
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