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俺は帰りの電車に揺られながら、傍らの同居人を眺める。朝までぐっすり寝ていた癖に、電車に乗った途端すやすや寝息を立て始めてしまった。まぁ、昨日相当はしゃいでいたから無理もない。
「!」
俺の肩に、こてんと彼女の頭が乗る。彼女の息が首筋に当たってくすぐったい。
「……重いぞ、ミリア」
一応言ってみるが、俺の声は届いてないらしい。
「本当に寝ているんだろうな……?」
返事はない。起きているのかもしれないが……気にするのはよそう。
「……楽しかったな」
聞こえているかはわからない。俺は無防備な彼女の横で微笑む。
ショコラオレンジの髪が俺の目線に垂れ下がり、柑橘の香りがふわりと風に乗る。
そろそろ、期末テストだな。それが終わると夏休み。
暑い夏が、やって来る。
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