1章

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「もう、持っててもみじめになるだけだし、貰ってくれよ直至ぃ」 いつもに増してしつこいな。 「誰と行けばいいんだよ俺が……」 「ミリアさんと行けばいいじゃん」 意味のわからないことを言う。 「何でカップルじゃないのにミリアと行かないといけないんだ?」 「男女の組み合わせはカップルと言うんだぞ」 宇多田が辞書を引いて俺に見せる。本当だ。 「ミリアかぁ……あいつ魚好きかどうかわからんぞ?」 「いや! ミリアさんなら絶対行きたがるから! 大丈夫!」 「お前ミリアの何を知ってんだよ……」 結局俺は押し付けられるようにして、その水族館のチケットを引き受けることになった。
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