2章

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日曜日の朝、俺のほおにペチペチと何かが当たる。 「ん……?」 ゆっくりと目を開けると、間近の距離にミリアの顔があった。 「うわっ!」 俺は即座に寝返りを打って起き上がる。 「おはよう直至くん!」 ミリアはニコニコしながらベッドの横に座っている。服も着替えて準備万端だ。 「何で今日に限って無理矢理起こすんだ!」 「だって起きないから」 「まだ7時半だろ!」 俺はミリアにスマホのアラームを突き付ける。 「早く行きたいから」 「早く行っても何にもねぇだろが」 文句を言いつつもどうせ聞きやしないので、俺は仕方なく起き上がって顔を洗いに行った。 窓の外は雨。しかも結構なザーザー降りである。 「直至くんご飯早く食べて!」 ミリアは机の前で正座して待っている。コイツの頭は晴れ渡っているようだ。 「落ち着け少し……」 朝食は冷やし素麺だった。早く食わせて出掛けたいに違いない。
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