2章

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というか早く出たところで電車の時間は変わらない。俺とミリアは最寄りの駅で三十分近く待つことになる。ミリアは俺を引っ張って駅の売店ではしゃいでいる。 「直至くん、このストラップ御当地だよね! 有名なのこれ?」 「有名なんじゃねぇの頭から被ってんだから」 地元じゃないからよく知らない。 「かわいー」 ミリアは楽しそうに御当地ストラップを見物している。このままだと買いそうだ。 「帰ってから買えよ。まだ目的地に着いてすらないんだから」 「ふふっそうだね」 ミリアは結局ジュースと飴だけ買って飴を俺に寄越す。天気とは裏腹の爽やかなレモンの味だった。
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