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「その看板の横を通って、僕がそのビルに入って行くところを、誰か見て、そんな噂が立っちゃったのかな~?! ハッハッハ!」
「あ、そうなんだ~! で、そのビルの何の教室に通ってるの?」
「ハッハッハ! 言わないでよ~!」
「言わない言わない」
「『遺書教室』じゃなくて~、『よいしょ教室』なんだよ! ハッハッハ!」
「よいしょ教室?!」
「そうなんだよ! 僕さ、口下手じゃん!」
「ま、まぁ、そうかな」
「それで何かスキルアップしたいな~って、探してたら、そんな教室見つけたの!」
「へぇ~」
「昭和の高度経済成長を支えた、団塊の世代のおじさんたちが講師の先生でね」
「へぇ~」
「昭和の飲みニケーションの場で培われた『よいしょ文化』のいいところだけを、おもしろおかしく伝承していこうって教室なのよ」
「へぇ~」
何だか『へぇ~』ってボタンがあったら、バンバン叩きたくなった。
「『よいしょ教室』は、そのビルの『五階』でやってるだけに、『誤解』、が生じたのかな~! なんちゃって! ハハハハハ~!」
昭和のおじさんたちから、真面目に学んでいるらしく、平成生まれの冴内くんが、スッカリ昭和のダジャレ親父に見えてきた。
きっとこの宴会がお開きになる頃、冴内くんは、
「それじゃ、あたしゃ、この辺で、ドロン! いたしやす!」
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