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あたしはいつも彼が座るテーブル席に案内をした。そしていつもの「中華そばに餃子」の注文を受けた。彼の向かい側に座る男の子について聞きたいとは思ったが今は接客中故に黙っておいた。
「あ、お子様ラーメンもお願いします」
ここで何も言わなければ子供用のお椀も一緒に出すつもりだったが、お子様ラーメンを頼んだ事により必要が無くなった。
あたしは2人が気になったのでカウンター席の向こうから2人を見ることにした。この2時から3時と言う時間は1番お客様が来ない時間なので暇そのものだった。その間はパート達に厨房で世間話をする時間となっていた。
「あの人、子供連れてきたわね」
「ニートじゃなかったのかしら」
「わかんないわよ、今はニートでも子供いるかも知れないし。昔の過ちとか」
「はははは、言えてる」
あたしはこんな下衆な話に乗る気にはなれなかった。いつもならこの時間現状は慣れてきたあたし1人で回せるのに夏休みと言うことで学生アルバイトや休日だけのパートもシフトに入るようになっていた。女が集まれば姦しいとは言うがこういった話をするぐらいなら帰れと思うのだった。
彼はお子様ラーメンの器に自分のチャーシューを一枚取って入れた。
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