視線

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いつも同じ電車に乗っている彼。 乗車口の前に寄り掛かって俯いている為、表情までは見えない。 学生なのだろう。 時折、クラスメイトらしき人物に声をかけられ顔を上げる。 その涼しげな目元、爽やかな笑顔。 毎日ぼんやりと乗車口の方を見ているうちに一度目があった。 それから、だんだんと気になる存在になっていった。 彼に気付いて欲しくて、毎日毎日、視線を送る。 だが、なかなか振り向いてくれない彼に、もどかしさを感じる。
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