小さな嫉妬の代償

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────・・・ 絶頂を迎えて苦しそうに呼吸を繰り返す宏実さん。私はその様子をいまだに指を締め付けられながら見下ろしていた。まだナカがビクビクと痙攣してる。 宏実さんの顔を穴が開くほど見つめていたら、宏実さんがチラッとこちらを見て、すぐに目を逸らした。私は身を屈めて、彼女に軽くキスをする。 「 気持ちよかったですか?」 「……っ」 宏実さんの顔がみるみるうちに赤くなってきた。息を整えながら、照れながらもちゃんと答えてくれる。 「 …気持ち…よかった。……こんなの、どこで覚えたの?」 「えっ…と、ネットとか?」 曖昧に答える私を怪しげに見つめる宏実さん。 別に嘘ではない。ネットだけではない、という事はややこしいから今は言わないでおこう。 「 そっか。私も、ほとんどネットで覚えたよ。」 そう言って宏実さんは笑った。 その笑顔が綺麗で、可愛くて、思わず見惚れた。 宏実さんは女性に抱かれたのは初めてだと言っていた。女性を好きになったのも、抱いたのも、私が初めてだそうだ。 宏実さんの初めてを貰えた、そう考えるだけで、嬉しくて心が満たされて幸せだった。
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