小さな嫉妬の代償

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ブラのホックを外しながら、緊張で固く結ばれた唇にキスをする。 こういう初心な宏実さんも、新鮮で良いなぁ。いつもはクールビューティという言葉が似合う程にポーカーフェイスで、“デキる女“って感じだし。 もっと、宏実さんの色んな表情が見たい。 なんだか宏実さんの事になると、貪欲になってしまう自分がいるな、と宏実さんにキスしながら、心の片隅で思った。 啄むようなキスを終えて宏実さんの頭をふわりと撫でると、唇を尖らせる宏実さんと目が合った。 「?」 「なんか……莉那、楽しんでない?」 拗ねたような口調が可愛くて、私は思わず笑みがこぼれてしまった。 ……どうしよう。見慣れない宏実さんの、子供っぽい仕草が本当に愛しくて、可愛過ぎる。 「はい、楽しんでますよ? 宏実さん苛めるの楽しいですもん」 そう言ってのけると、宏実さんは顔を引き攣らせた。 「…っ、いじめっ……。莉那って、すぐ顔に出るから。楽しそうなのバレバレだし」 あぁ、それは自覚ある。 宏実さんに対しては隠すつもりもないけど。
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