溶ける溶けない

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溶ける溶けない

「──暑い」 その一言で、空気が変わったような気がした。 能動的に脳内へ浮かび上がってくるのを、誰もがずっと押し黙らせていたが、何気なく呟かれた三文字の短くも残酷な言葉によって決壊してしまった。 すると途端に活字に向けていた情報処理は『暑さ』に持っていかれ、読書どころではなくなってしまう。
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