存在価値

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存在価値

暗い暗い ここはどこ? 私はどうしてしまったの? 「んっ、、んー」 重い瞼をゆっくりと開ける 「やっとお目覚めですか、お姫様」 聞きなれた声に視線をうつすと、 ぼやけた視界が鮮明になっていく そこには亜美に不敵な笑みをむける 昴の姿があった 亜美が起き上がろうとしても 身体が鉛のように重い そして、ひどい喉の乾き その様子に、昴はソファーからたちあがり 亜美の方へ歩いてくる 亜美はやっとの思いで身体をおきあがらせると、昴をきつく睨んだ 「お姫様はご機嫌ななめみたいだな」 昴は亜美の傍までくると、亜美の顎を掴んだ 亜美はその手をふりほどこうとしたが、 鉛のようにおもい身体は思うように動かせなかった 「くすっ、、 だいぶ毒が身体にまわってるようだな」 ブラッディローズ、、、 昴の力が織り成すハンターの武器 「喉が乾いて仕方ないんじゃないの?くすっ」 そういうと 昴は自分の手首に爪をたてた 昴の手首からは 血が滴り落ちる 「は、、はぁ、、はぁ、、」 部屋に血の匂いが漂い出すと 亜美の吸血衝動が騒ぎ出した 「飲みたい?」 顎を掴んだまま 昴は自分の手首から滴り落ちる血を 亜美の口元によせる 「や、、やっ!」 亜美は顔を背け、 昴を睨んだ
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