京の都に恋をして

14/15
前へ
/15ページ
次へ
「男の子みたいですよね? でも私、自分のこの名前は気に入ってるんです」 「めっちゃいいやん!」 ありそうでなかった名前だが、塔太郎は諸手を挙げて賛同した。 「だって、大文字山の大なんやろ?」 「よく分かりましたね?」 「京都人やからな。二条のお姫様に大の字つけるんやったら、それしかないわ」 塔太郎もまたニヤリと笑って、チラシの五重塔と舞妓のイラストの横に、大文字山を付け加えた。 「ほんなら、これでめでたく三人目! ありがとう!これからもよろしく!」 「はい……あんまり愛想よくないですけど、よろしくお願いします」 彼女は、塔太郎と玉木に小さくお辞儀をした。京都大好きクラブ、新メンバーの誕生である。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加