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名所が地味というのならともかく、人に優しくないというのは自分の人格さえも否定されているようで悔しい。
何とか汚名返上したい、と、結局、腕を組んで雑誌と睨めっこするのであった。
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あともう少しで休憩時間が終わる頃、一人の女の子が、喫茶店の中に入ってきた。
小柄で、黒髪は三つ編みのおさげ。無地のワンピース姿が清楚である。ジャケットの裾には、小さな桜の刺繍があしらわれている。
待ち合わせか、あるいはお茶でもしに来たのかと思いきや、エプロン姿の塔太郎と玉木を見つけると彼女は迷わず塔太郎と玉木のテーブルへと歩いてきた。
「いらっしゃいませ。えーと……ご注文か、何かでしょうか?」
と、塔太郎が聞いてみると、彼女は右手に持っていた一枚の白いチラシを差し出した。
「これ、表に貼ってあったのが落ちてて、それで拾ったんですけど」
チラシの内容は、喫茶店業務の傍らに塔太郎と玉木が趣味でやっているサークルの紹介文である。
その名を、「京都大好きくらぶ」、と言った。
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