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「これ……何のクラブですか?」
「よう聞いてくれた!」
彼女の言葉に、塔太郎は待ってましたと立ち上がる。玉木が「休憩終わりますよ。店長に怒られますよ」と控えめに言ったが、塔太郎は「オッサンはまだ買い出しから帰ってけえへんし、大丈夫、大丈夫!」と適当に退けた。
「京都大好きくらぶって言うんはな、いい天気の日や祭の日に京都へ繰り出して楽しんだろ、っていうその名のとおり京都を堪能したろ、っていうクラブやねん!」
塔太郎は嬉々として、メンバーは俺とこいつ! だけ! と、玉木を指差した。彼女は塔太郎らとチラシを交互に見比べて、
「……個人的な集まりなんですか?」
「そう」
「お兄さん達が、作ったんですか?」
「そう!」
チラシは戯れに一枚だけ貼っていたものだったが、それだけに、彼女が興味を持ってくれた事が嬉しかった。
塔太郎はぜひこの一輪の花を我が三人目に、との勢いで、クラブの紹介を並べ立てた。
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