自分の気持ち

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自分の気持ち

「あの…先輩。話って……?」 あの後、俺は先輩に呼ばれて一緒に屋上に行った。 「あぁ…実はこのことなんだけど。」 そう言って先輩が見せたのは、部活の練習メニュー表だった。 「このメニューを考えてたんだが、一年には少しキツイかなと思って…。それで、お前の意見を聞きたくて。」 「…はぁ……そうなんですね。えっと…そうですね…俺は……」 そう言いかけた時、腹部に激しい痛みがきた。 「……っ!?」 あまりの痛みに、その場にしゃがみこんだ。そして先輩の顔を見ると、笑っていた。楽しそうに……。 「最高っだな!お前のその苦しむ顔!!」 先輩はギャハハハと爆笑していた。何で…こんなことを……。 「ゲホッ…ゲホッ……」 「さてと、本番はこれからだぜ~?」 「……うっ!!」 しばらく殴られ続けた。挙句の果てには、首も締め付けられて俺は意識を失った。 「……んっ…」 目を覚まして上体を起こす。そうだ…俺は先輩に殴られて…そのまま……。 「……っ!」 その時、心臓がドクンドクンと速くなっているのを感じる。体も熱い……。まさか、熱……?と思っていたが、下も痛くなるのを感じた。媚薬だ…。気を失った後、飲まされたんだ……。 「はぁ…はぁ……」 体も痛いし、動くことが出来ない……。気づけば、外は土砂降りの雨。俺はそのまま雨に打たれ続けた。今…何時だろう?部活は始まったのかな?颯馬……。その場に俺は倒れ、意識を失った。 「輝君っ!」 あれ…颯馬?小さい…これは夢……? 「こっち!一緒に遊ぼっ!!」 颯馬…。俺……。 「輝君っ!……輝君っ!!」 颯馬、俺さ…… 「どうしたの、輝君?あ、ねぇねぇ!聞いて!俺ね輝君にプレゼント作ったの!!」 プレゼント? 「これっ!はい!」 これ…花の指輪?作ったの? 「うん!輝君のために先生と内緒で作ったの!凄いでしょ!」 うん……凄い。凄いよ、颯馬……。 「あ、あとね!先生に聞いたんだ!」 ……?何を…? ちっちゃい颯馬は俺の元に近づいてきて、俺の手の甲に口付けをした。 「結婚してください。」 ……っ!? 「こうしたら、相手の返事によってずっと一緒にいられるらしいんだ!だから…ずっと一緒にいようね!輝君!!」 颯馬のその笑顔に、俺の心がどんどん温かくなった。
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