自分の気持ち

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「……んっ…」 「……っ!輝っ……輝っ!」 誰かに名前を呼ばれる。……誰?ゆっくり目を開けると、不安げな顔をしている颯馬がいた。ここは、保健室…?俺は、ゆっくり上体を起こす。 「…颯…馬……」 「よかったぁぁぁ……」 颯馬は、俺を抱きしめる。温かい…颯馬の温もりがとても心地よかった。 「本当に心配したんだから!先輩に呼ばれてから全然戻って来ないし、部活にも来なくて……。あの先輩に問い詰めて全部吐かせて…やっと屋上で倒れてるお前を見つけた。ごめん、輝。俺も一緒に行っていたらこんなことには……」 「…ううん。俺なら大丈夫だよ。心配させちゃってごめんね。」 「いや、お前が無事でよかったよ。というか、先輩に薬盛られたらしいじゃん?大丈夫か?」 「…あー…うん、全然平気!」 「あの先輩に聞いた話じゃ、全然治まらないらしいけど?」 「……っ…」 颯馬から目をそらして、布団をギュッと掴む。正直体は全然治まらない。下も痛くて辛い。 「やっぱり平気じゃないんじゃん。手伝うよ。」 そう言って、颯馬は布団を退かす。 「いっ!いいよ!自分で出来るからっ!」 「手伝わせて…お願い……。」 悲しげな表情をする颯馬に、俺は何も言えなかった。そしてそのまま、颯馬にも手伝ってもらった。 「どう?少しは楽になった?」 「…う、うん…。ありがとう。」 颯馬のおかげで少しというより、大分楽になった。このまま治まらないんじゃないかと不安に思っていたから安心した。ふと時計を見ると、5時になろうとしていた。あれ?そういえば…… 「そっ、颯馬っ!」 「ん?どうした?」 「部活っ!部活はどうしたの!?」 「あー、早退した。お前探すために。」 俺のせいで颯馬の部活の邪魔をした。申し訳なく思い、颯馬に謝る。 「…ごめん。颯馬に迷惑かけちゃって……。」 「お前のせいじゃねぇから。元はと言えば、あの先輩のせいでお前がこんな目に遭っちゃったんだから仕方ねぇよ。それに……」 ベッドで横になっていた俺に、颯馬は近づいてベッドに座る。そして、俺の手に颯馬は自分の手を重ねた。 「好きな人の為なら、何だってするよ。俺は、輝のことが好きだから。」 颯馬の言葉に、俺の心臓はドキッとした。颯馬が、俺を好き……? 「…あ、あー…えっと……友達としてだよねっ!それなら俺も……」 「違う。恋愛感情として、お前が好きだ。」 その言葉に俺の鼓動はまた高鳴り、顔も熱くなったんだ。
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