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橘くんとは、普通に出会った。
劇的なものなんて何もなく、ただウマが合うな、とか感じるだけだった。
私が可愛いと思ったものを橘くんが可愛いって言ってるのを聞くとか、橘くんが美味しいって食べてたものを食べてみたら本当に美味しかったりとか。
そのうち二人で遊びに行くようになって、そんな二人だからどこへ行っても楽しくて。
いつの間にか、二人でいるのが当たり前になっていって。
同じものを同じように感じる二人は、気付けば一緒に暮らしていた。
同じ趣味の食器を揃えて、同じ趣味の音楽をかけて、二人で料理して、笑って。
ペットも飼った。
カナリアの“ピロ”。
鳥籠を前に、二人して同時に指差して「目覚まし時計にしよう!」って笑って即買いした。
そんなことが当たり前だった日々。
間違いなく幸せだった日々。
今日という終わりの日なんて、とても想像できなかった。
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