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俺は生まれながらにして勇者が負っていたとされる同じ傷が首に刻まれている。
どうしてこんな傷が付いているのかわからない。
まさか生まれる前からこんな傷があったとはとても言い難い。
この傷のせいで昔からこの村の者は俺のことを、
「この村に勇者様が誕生なされた!」など馬鹿げたことをほざいている。
その他にも。
「勇者様、どうかこの村を救ってください」と言われこの村で採れた作物を俺の家に置いて行く連中もいる。
誤解される度に俺は。
「俺は勇者じゃない!」と毎度毎度説得するのも疲れた。
でも置いていかれる作物によって俺は日々のんびり過ごすことができる。
このとき思ってしまった。このまま勘違いをされ続けていれば生活に困ることはないのではないかと。
しかしそんな日常もあることがきっかけで終わってしまうのだった。
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