7人が本棚に入れています
本棚に追加
すぐそこにあるファミレスで、彼と食事をすることになった。
彼の名前は神崎祐介と言って、会社でSEをしているらしい。
なので毎日帰ってくるのはこの時間だとか。
年齢は予想通り私の少し上、二つ上の28歳だった。
「変なことを聞きますが、あなたは神様って信じますか?」
何だその新興宗教に誘うみたいな台詞は。
私は注文したドリアを食べながら「まあうちは農家なんで、信じますよ」と言った。
「春と秋に、近所の神社に行ってちょっとした儀式をするんですよ。豊作を願う儀式ですね。
それをしないと、必ずと言っていい程凶作になるんですよね」
これはうちの家の伝統で、事情があってできなかった年は必ず台風や豪雨やらでダメになってしまうのだ。
「すごく変な話をしていいですか」
いや、十分変な話ですと言いたいのを堪えて私は「どうぞ」と言った。
「どうやら私には狢が憑いているらしいです」
思わずブホっと吹き出しそうなのを堪えた。
「どういうことですか?」
頭おかしいだろという言葉を堪えて、彼というか祐介さんに聞いた。
最初のコメントを投稿しよう!