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「愛とは、与えられた人が愛と感じれるものをいうのです」
その言葉に、少女が衝動を受けたのは言うまでもない。
何度も愛だと言われ続けた暴挙が、愛ではないとはっきり言える愛の本質を見つけたのだ。それが少女にとってどれだけ待ち望んでいたことであり、どれだけ少女の心を救ったことか。
「愛かどうか、貴方が決めていいのではないでしょうか」
「私…っ、は…っ!」
少女は抑えきれない涙に声をうまく発することができなかった。愛の本質を自身の中で決めたからこそ言える言葉を、男はもう感じ取っている。
「貴方は馬鹿だと言われたら馬鹿だと信じ込まなくていいのです。死ねと言われたら死んだ方がいいと思わなくていいのです。愛と言われても、疑っていいのです」
「…―――ッ」
「貴方は、貴方の好きなように思いなさい」
「―――はい!」
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