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潤に聞こえるんじゃないか、と思うほど、心臓が騒いでいて、思わず心臓のあたりを押さえた私を見て、潤が、きょとんとした表情をしたあと、嬉しそうな表情を浮かべる。
「なぁ、ひより」
「……なに」
「明日、地球滅亡するらしいぞ」
「……知ってるけど」
何を今更。
そんな表情を、目の前の潤に向ければ、「だからな」と言った潤の片方の手が、私の手を掴む。
「最後は俺と居てよ」
「……でも…」
「俺は、ひよりと過ごしたい」
カ、コン、と、転がっていたピースが、空いていた隙間に、ピタ、と嵌った。
そんな気がした。
今日、2???年、4月2日。
地球は滅亡。
私と、私の想いは、
ただの灰にならずに、
たった一人の少年ともに、消えた。
完
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