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最終話 2xxx年 4月2日
「……そういえば、いつも、潤だった」
「何が?」
ようやく泣き止み、潤が何処からか持ってきた飲み物を一口飲んでから、ふと、思い出す。
「私が、どこかに行っちゃったとしても、見つけてくれるのは、いつも潤だったなあ、と思って」
ふと、そんな事を思った時、心の中で、何かが、音を立てた。
潤と涼兄ちゃんの家族と、うちの家族で出かけることも、しょっちゅうあって、気がついたら迷子になってた私を、見つけてくれるのは、いつも潤だった。
小さい時だけじゃない。
中学生になっても、いつも、そうだった。
「何で見つかるの?」
この前の時も、私が、どこに走っていったかも、分からない、たくさん人がいる。
そんな中で、潤は、見つけてくれた。
今日だって、そうだ。
最後だから、潤の家族と、うちの家族で過ごすことになり、お姉ちゃんと涼兄ちゃんを応援するって決めたのに、二人の幸せそうな様子を見てられなくて、走って逃げ出したのに、潤は、また、見つけてくれた。
「何でか、分かんない?」
ジッ、と私の目を見る潤の瞳から、視線がそらせない。
「なん……で…って……」
「俺が、見つけられるのは、ひよりしか、居ないんだけど、何でか分かんない?」
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