最終話 2xxx年 4月2日

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ピタ、と頬に当てられた潤の手が、熱い。 カコ、とまた、心で、何かが、動いた。 「わ、……分かんないし……」 「ホントに?」 「じゅ、」 「ひより、ちゃんと、考えて」 こんな潤、知らない。 瞳の奥すら、熱くなっている気がする。 「ひより」 そんな優しい声、聞いたことない。 「こっち見ろよ」 恐る恐る、潤の目を見れば、「良い子」と潤が柔らかい笑顔を浮かべ、口を開く。 「ひよりだから、見つけられる。どこに居ても、見つける。誰よりも、ひよりが、好きだから、俺なら、どんなことがあっても、ひよりを見つける」 真っ直ぐに、私を見つめる潤の瞳の熱と、初めて聞く、潤の気持ちに、じわ、と頬が熱くなっていく。 涼兄ちゃんには、感じたことのない、この熱は何。 カコ、カコ、と音を立てる、これは、なに? 「ひより?聞こえてたか?」 涼兄ちゃんに呼ばれる声よりも、潤に名前を呼ばれると、泣きそうになるのは、何で。 「ひより?」 「っ?!」 ひょい、と鼻先がぶつかりそうになるくらいに、近づいてきた潤に、言葉は喉で止まり、頬が一気に熱を帯びる。 「な……に……」 バクン、バクン、と心臓が煩い。 何で、こんなに、煩く騒ぐの。     
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