4人が本棚に入れています
本棚に追加
ピタ、と頬に当てられた潤の手が、熱い。
カコ、とまた、心で、何かが、動いた。
「わ、……分かんないし……」
「ホントに?」
「じゅ、」
「ひより、ちゃんと、考えて」
こんな潤、知らない。
瞳の奥すら、熱くなっている気がする。
「ひより」
そんな優しい声、聞いたことない。
「こっち見ろよ」
恐る恐る、潤の目を見れば、「良い子」と潤が柔らかい笑顔を浮かべ、口を開く。
「ひよりだから、見つけられる。どこに居ても、見つける。誰よりも、ひよりが、好きだから、俺なら、どんなことがあっても、ひよりを見つける」
真っ直ぐに、私を見つめる潤の瞳の熱と、初めて聞く、潤の気持ちに、じわ、と頬が熱くなっていく。
涼兄ちゃんには、感じたことのない、この熱は何。
カコ、カコ、と音を立てる、これは、なに?
「ひより?聞こえてたか?」
涼兄ちゃんに呼ばれる声よりも、潤に名前を呼ばれると、泣きそうになるのは、何で。
「ひより?」
「っ?!」
ひょい、と鼻先がぶつかりそうになるくらいに、近づいてきた潤に、言葉は喉で止まり、頬が一気に熱を帯びる。
「な……に……」
バクン、バクン、と心臓が煩い。
何で、こんなに、煩く騒ぐの。
最初のコメントを投稿しよう!