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窓を開け放った室内は、明るく、いつもと変わらぬ風が、部屋を通り抜けていく。
いつもと違うのは、妙に、外が騒がしいこと。
お姉ちゃんに買ってもらったばかりの携帯電話が、妙に煩く鳴っていること。
「…なに…」
ぼんやりとした頭のまま、騒がしい携帯の画面を見れば、友達からのメッセージが100件、と通知がされていて、何かのエラーなのか、壊れたのか?と眠たい目を擦りながら、身体を起こす。
バタバタッ、と近づいてくる足音に、朝から何だろう…、と開けたままのドアをぼんやりと眺めていれば、「ひより!」とお姉ちゃんの声が聞こえると同時に、血の気の引いた表情をしたお姉ちゃんの顔が見えた。
「お姉ちゃん、どうし、」
「いいから、早くっ」
ぎゅう、と掴まれた手を強く引かれ、お姉ちゃんにされるがまま、リビングに行けば、いつもと同じようにお父さんとお母さんが居るものの、部屋の中の空気が、いつもと違う。
「…どうしたの?」
繋がれたままだったお姉ちゃんの手を、ぎゅう、と握り返せば、お姉ちゃんが優しく、でも少しキツく、握り返してくる。
「ひより、落ち着いて聞きなさい」
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