第2話 地球滅亡のお知らせ

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「これ、お願いね」とお母さんに渡された目玉焼きは、いつもよりも少し焦げていて、チラ、とお母さんを見れば、お母さんが、少し赤い目でふふ、と笑う。 「ちょっと焦がしちゃったの」 「それなら、それは僕が食べるよ。ひより、父さんにくれるかい?」 「わかった」 にこり、と笑うお父さんに目玉焼きを持っていけば、「料理上手なお母さんが焦がすなんて、貴重な目玉焼きだな」とお父さんは嬉しそうに笑って受け取る。 「ひより、カフェオレにして飲む?」 「うん。甘いやつがいい」 「はいはい」 珈琲を入れ終わったお姉ちゃんが、席につき、「食べようか」とそう言ったお父さんはいつもと変わらない笑顔を浮かべた。 「ひより、今日、学校何時まで?」 いつもよりも、早く起こされたおかげで、学校に行くまでには、まだまだ時間もあり、朝からメッセージ受信の通知をし続けている携帯を見始めていれば、身支度を終えたお姉ちゃんが、私の部屋に来て、そう問いかける。 「今日はもともと午前中で終わりだよ」 お姉ちゃんの質問に答えつつも、その前に、そもそも学校はあるのだろうか、とぼんやりと考えていれば、「じゃあ」とお姉ちゃんの声が聞こえ、お姉ちゃんを見れば、お姉ちゃんがほんの少し、寂しそうな、悲しそうな表情を浮かべながら口を開く。
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