精霊歌

1/8
前へ
/64ページ
次へ

精霊歌

 担任の教師が今日の授業の終わりと解散を告げると、またクラスがグループごとに別れていく。  結局、ここがどんな学校で、何をしているところなのかは今日一日じゃ理解出来なかった。人に話を聞くのが最も楽なのだが、自分が入る場所のことも知らないのはあまりにも不自然である。  俺が熟考していると、沙喜に手招きされ教室の端まで移動する。  歩く度に響く金属音。俺はこれが――冷たい金属の教室が――あまり好きではない。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加