精霊歌

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 そんなこんなで“新しい友達と仲良くなろうの会”は最後こそ静まり返ったが、無事に終了した。  これで解散のはず。狙うなら解散して人が減ってからだな。  雪と同じ方向に歩きだし、人が減るのを待つ。 「じゃあ、私たちこっちだから。ばいばーい」 「私はアンさんたちを送ってきますね」  沙喜も離れこの場に残ったのは俺と雪だけ。よし今だな。  俺が話しかけようとしたその時。 「あなたは帰らなくて良いのですか? 五坂略」  おっと、そっちから話しかけてくるとはな。 「俺は別に大丈夫。ちょっと雪さんに聞きたいことがあってね」  なんか冷たくないか? 明らかに警戒してるな。 「それは丁度良かった。私もあなたに聞きたいことが」  こいつやっぱり他のやつとは何か違う。 「何かな。そちらから先にどうぞ」  こいつからは何か殺気のようなものを感じる。名前の通り冷たく、それは刃のようだ。 「私は実はもともとこの世界の住人ではないようです。転生したようなのですが生前の記憶を鮮明に覚えているのです」  転生された? しかも記憶があるまま? 今、神界ではトラブルが起こってるからな。その影響か?
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