精霊歌

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 雪と別れた俺は、沙喜と再び合流すべく歩き出した。雪については沙喜にも相談するべきだろう。沙喜の方が俺よりそういったことに詳しいしな。なんて、あたりがうすら寒くなりだしたころ、俺は沙喜と合流した。沙喜は俺の前を三歩ほど先に進んで、振り返りつつこう言った。 「聖霊持ちなんて、雪さんとんでもないですね!」 「精霊なんてみんな持ってるじゃないか。俺も確かに雪は普通じゃないと思ったけど」  何を言い出すんだこいつは。精霊は人間といえどもほとんどの人がその身に宿している。 「精霊じゃなくて聖霊ですよ。聖なる、神が遣わした精霊の管理者。その聖霊です」 「は? あれは世界に数えるほどしかいない上に人に宿るもんじゃないだろ?」  精霊には下位精霊と上位精霊がいる。それらを統率するのが管理者たる聖霊。神によって力を与えられた特別な精霊。彼らは管理者であるがゆえに人に宿ることはしない。 「ですから、それがすごいと言っているんです!!」  沈みかけの夕日を背に、世界の常識を覆す言葉を沙喜は笑顔で告げた。
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