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「ここライル先生の家だったんですね……」
沙喜は家の温もりの幸せをかみしめつつ、幸運な偶然に感慨深げに言葉を漏らした。
「お前たちはここで寝ろ。浄化魔法の札を置いといた、これで体でも清めておけ」
疲れている俺たちを見て、気を使ってくれたのだろう。事情は明日学校で聞くと言ってくれた。
ただ最後に……
「部屋は一つしかないからな。変な気を起こしてくれるなよ、五坂」
この言葉で、沙喜は顔を真っ赤に染めてしまった。今日見た夕日のように……。
そして、凍えることのないまま俺たちは朝を迎えることができた。ちなみに、変な気を起こすまでもなく深い眠りに落ちてしまったのは言うまでもない。
朝、ライル先生は二人分の簡単なパンとスープを残して、もう家を出てしまっていた。仕事熱心な人だ。
もちろん、俺たちはそれらをおいしく頂き、キチンと皿を洗った後、二日目の学校に向けて歩き出した。
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