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「随分と神の力を失ってしまったようだな」
俺は白と青しか見えない世界で、独り言のようにつぶやいた。
「ですね~もう神聖魔法はあまり使えなさそうです。あ、もうすぐで地上ですよ」
心なしか楽しそうなこの後輩は何を考えているのだろうか。
山奥の清流のように白く、そして透き通るような輝きを放つ髪をなびかせる後輩の女神=鏡見沙喜かがみさきの顔は笑っていた。
天界から綱なしバンジーをすることも、神としての自分が薄れていくことにも楽しい点など何一つないだろうに。
地上に近づくにつれ、神性が失われていくのが目に見えて分かった。もっとも、体中から剥がれ落ちていくこの淡い光が神としての自分そのものだということに気づいたのは数秒前の話だが。
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