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「せんぱ~い、どうやって地上に降り立ちたいですか? 抱きかかえられたいですか? 抱きしめたいですか?」
「……二択しかないのか、困ったなー超困ったわーこれは不本意ながら抱きしめるしかないな~」
ホントやめてほしいわ、マジ迷惑だわー、ちょっと興奮しちゃうじゃん。
「先輩素直でいい子ですっ」
――――俺は空中で沙喜をお姫様抱っこしつつ、防御魔法を構築し衝撃に備える。近づいてくる木々に体当たりするように、俺たちは落ちた。
「大丈夫か? 沙喜」
問題ありません、と優雅に立ち上がった沙喜は、自分たちを中心とする半径七メートル程度のクレーターを見て、隕石のようですねと苦笑した。
「これでも頑張った方だろう?」
そもそも着地に防御魔法を使うことからして邪道なのだから。
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