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さて、問題はそちらではない。この迷惑な物体に縛り付けられた白い紙はどうやら手紙のようで、「FROM 天界」と小さく書かれている。
当然のごとく出てくるはずの、「誰だこんなものよこしたのは」という疑問は、残念ながら出てこなかった。こんな無茶苦茶なことをするのは一人しか考えられない。
「あ~あの人ですか」
沙喜はあきれ顔だ。彼女の言う「あの人」とは、俺と沙喜の上司のことだ。槍の達人で転生を司る神、そして九人しかいない前時代の神である九古神の彼は、自由気まま、誰にも何にも縛られない自由人として有名だ。どうせ地上に行くのが面倒とか言ってこんな矢文みたいなことをしたのだろう。いや、たしかに神のまま地上に降りるのは大変だけれども、とは言っても……
「なんて書いてあります?」
手紙を開いた俺の手元を覗き込むように沙喜は疑問を口にした。
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