タロウ

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「そんなことより、今日、俺んちに来るよね? 泊まるところがないんだろう?」 と言って、ベーガルは、僕の太腿を擦って来た。 これは、何の合図? 地球と同じなのだろうか? 僕は思い切って、太腿に乗せられたフラジールの手に 自分の左手を重ねてみた。 しばらく、こちらの手の平を中指で擦る合図をする ベーガルの横顔を眺めていた。 僕、この人だったら、異星人との接触、思い切ってもいいかも。 じっと横顔を眺めていると、僕と目を合わせ、 ベーガルはにっこり笑って、 「マスター、おあいそ」 と言って、僕に一緒に店を出ることを促した。 映画やドラマでよくある展開に自分も乗っかれた? これが地球での出来事でないことがちょっと残念だと思った。 店を出た二人はタクシー?に乗って、しばらく移動した。 ベーガルは隣に腰かけた僕の手を握りながら、 何だかわからない鼻歌を口ずさんでいた。
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