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第1話 居酒屋
目が覚めると、見知らぬ場所に俺は座っていた。居酒屋風の店の中だ。席数にして15人程度のこじんまりとした店だ。客は俺のほかに2組しかいない。
ここ、どこだ?
酒を飲んで寝てしまったような記憶はある。しかし居酒屋で飲んでいたわけではない。それなのに何故か目の前には、つまみが入っていたとおぼしき小皿が3皿とビールが入っていたと思われるグラスがひとつ置かれている。いずれも空である。
どう見ても食べ終わって飲み終わったあとである。そういえば腹は一杯になっているような気がする。いつのまに食べて飲んだのだろう。
そのとき、店のドアが開いて新しい客が入ってきた。いらっしゃいませーという元気な声が飛ぶ。釣られて俺はそちらを見た。そしてその客の姿を見て愕然とした。
入ってきたのはほとんど同じ顔をした女の子ふたりである。漆黒の長い髪を頭の上でだんごに結び、ややつり上がった眉にキリッとした切れ長の目。顔にも背格好も違いが見つけられない。ふたりの唯一の違いは、着ているシャツの色がピンクかグレーかだけである。
いや、驚愕したのはそこではない。
あの女の子たちは、なんで刀を腰に差してんだ?
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