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しかし、それにしては昨日以前の記憶がありありと残っているのが不思議……ああっ! そうだ、あのメールに返信しなきゃいけなかったんだ!!
「あ、そうだ。忘れていた。どこかにネットに繋がった端末はないか?」
「「……?」」
なんだろう。反応がおかしい。
「急ぐんだ、メールの返事だけでもさせて欲しい。プロバイダはどこでもかまわないから」
相手のメアドはネットで調べれば分かるだろう。とりあえず、グーグルにアカウントがあるからそこにアクセスすればメールが使える。返事だけでも早めにしておきたい。せっかく来たチャンスなのだ。
「「「………???」」」
返事がない? なんか言えよ、こっちは急いでんだぞ。
「これ、ほんとにユウか?」
「何を言っているのかさっぱりわからん」
「酒飲むには早すぎたんじゃないか」
「だけど、ウイルをたった1杯飲んだだけですよ?」
「ウイルだったのか。あんなもん酒のうちには入らんだろうに」
たくさん言いやがって。飲んだのはVSOPだっつーの。なんだよウイルって。聞いたことねぇよ、新種の病気か。
ここで、俺はふと真横にあった壁掛けの鏡を見た。そこには、ここにいる皆が映っている。しかし、俺だけがいない。
いない??
俺は慌てて席を立ち、鏡をのぞき込んだ。
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