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「6才の頃はね。今はただのはた迷惑な机上の天才さん」
「それ、褒めてんのか貶してのかどっち?」
「それがあんたのこれまでの評価だ。だが、うちの工房には今、その才能が必要なんだ。助けてくれないか」
「いいよ、別に」
え? という空気か部屋を包み込む。なんでだよ。自分で頼むとか言っておいて、俺がOKしたらなんでこんな空気になるんだよ。
「まだ条件とか提示していないが、そんな簡単に言って良いのか、OKという前提で話を進めて良いのか?」
「なにか問題でも?」
「もちろんこちらにはない。でもあんたにとっては、今まで務めたヤマシタ工房は辞めることになるんだが」
「そうなのか。でもいいよ、別に」
なんか俺、そこでイジメられてたらしいしな。どうせ一面識もない(覚えていないというか知らないというか)人しかない会社だ。なんの未練もない。
「それだと、あんたは今までの給料を1円ももらえないことになるんだが」
「いいよ、べ……なんだって??!!!」
驚いたのなんのって。
「こっちでも通貨は円なのか!!」
「驚くところがおかしい。なんで通貨なんかに驚いてんだよ」
ちょっとこの異世界がスキになったぞ。
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