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そしたら怒鳴られた。青年の隣にいた爺さんだ。
「なんだそのしゃべり方は。子供のくせに、そんな言葉使いしやがって」
なんだよ子供って、誰が子供だよ。お茶をお代わりしたことが、そんなに怒鳴られるようなことか? そもそも子供がVSOPなんか飲まねぇっての。犯罪だぞ、それ。
それより誰だよこいつら。俺の二日酔いの頭でも分かるように説明してくれ。
「居酒屋で起こしたときから、なんかおかしいなとは思ってましたが。ユウ、私が分かるか?」
「エロっぽいねーちゃん?」
このやろぶん殴ってやる、と暴れ始めたのを隣にいた同じ顔の女の子が止めた。
「その年で酒なんか飲むからだよ。ヤマシタ工房ではそうとう苛められたようだな。その鬱憤晴らしか。やけ酒飲むのは良いが、ほどほどにしけおけよ」
「君は誰?」
「ちょ、おま。マジで言ってんのか?」
青年の顔が驚きに変わる。
「ワシのことは分かるのか?」
「じじいに興味ない」
このやろ、ぼけっ、と暴れるのを必死で止める青年。
俺は考える。もしかしたら俺は突発性の記憶障害とかにかかったのかもしれない。原因があるとすればあの一気飲みか。そんな疑惑が沸いてくる。
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